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子宮がんの予防

子宮頸がんの基礎知識

2種類ある子宮がんの一つ。20歳代の若年層で急激に増えている子宮頸がん。

子宮頸がんは感染症型がんの代表

日本人女性の子宮頸がん罹患率
※国立がんセンターがん対策情報センター「全国がん罹患数・率推定値1975-2004年」 2004年のデータより作成

子宮がんには、発生場所や特徴などが異なる子宮頸がんと子宮体がんの2種類があります。子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)※の感染が主因で、欧米では性感染症と認識され、日本でも20歳代に急増しています。

※ヒトパピローマウイルス(HPV)とは?

皮膚のイボ(乳頭種)から発見されたもので、人間の皮膚や粘膜などに感染し、乳頭種を形成します。どこにでも存在する一般的なウイルスですが、子宮頸がんだけではなく、肛門がん、口腔がん、陰茎がんなどの原因にもなります。また、HPVは100種以上の型があり、そのうち子宮頸がんとの関連が強い高リスク型は15種類ほどいると言われています。

子宮頸がんについて

特 徴
  • 子宮がん全体の約7割を占める
  • 30〜40 歳代に多く、この世代では 10万人あたりで10〜15人がかかる
  • 20歳代で急増中
  • 増殖のスピードが非常に遅い
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因
  • 正常な細胞ががん細胞になる前の変異(異型細胞)を診断でき、早期発見しやすい
症 状
  • 初期はまったくない
  • 進行すると、月経とは無関係な出血が見られたり性行為の際に出血する
  • 異常なおりものが増える
こんな人がかかりやすい
  • 性交渉の際、コンドームを使用しない
  • 性交渉の相手が多い(HPVに感染しやすい)

子宮頸がん検診

早期発見のカギを握るがん検診

がん検診の目的は、がんを早期に発見し、早期の治療でがんによる死亡を減少させることです。特に子宮頸がんは検診を受けていれば早期発見しやすく、完治しやすいがんです。子宮がん検診を受けるようにしましょう。

子宮頸がんのステージ(病期)ステージ1:がんがまだ子宮頸部のみにとどまり、他へ広がっていない状態。ステージ2:がんが子宮頸部を超えて広がっているが、骨盤または、膣壁の下1/3には達していない状態。ステージ3:がんが骨盤壁まで達している。または膣壁の下1/3を越えている。ステージ4:がんが小骨盤腔(しょうこつばんくう)を越えて広がっている。または膀胱、直腸の粘膜にも広がっている。

※ステージ(病期)
がんの進行状態を判定するための基準。進行度に応じてI期(軽度)〜IV期(重度)に分類される。

子宮がんの検診方法
細胞診とは? 子宮頸部または子宮内膜の組織を採取(綿棒で子宮頸部の細胞をこすり取る)し、がん細胞の有無やその種類を調べます。月経中は十分な検査ができません。月経終了後3〜7日の受診がよいと考えられています。

一般的には子宮がん検診では、子宮頸がん検診のみ行われ、不正出血、月経異常、褐色のおりものなど異常があった人に子宮体がん検診を実施、または勧奨されます。検診では「細胞診」を実施します。その結果「精密検査が必要」と判定された人は、必ず精密検査を受けるようにしましょう。

なお、「細胞診」では、子宮頸部または子宮内膜の組織を採取し、がん細胞の有無やその種類を調べます。月経中は十分な検査ができません。月経終了後3〜7日の受診がよいと考えられています。

子宮体がんを知る

子宮体がんについて

特 徴
  • 50〜60歳代に多く、この世代では10万人あたりで15〜20人がかかる
  • すべての年齢層で増加傾向
  • 閉経前の発生は少ない(子宮内膜が月経の都度はがれ落ちるため)
症 状
  • 月経異常(過多月経、不規則月経)
  • 月経とは無関係な出血(不正出血)
  • 異常なおりものが増える
  • 閉経後、少量ずつの出血が長く続く
  • 排尿痛、排尿困難
  • 性交時痛
  • 骨盤領域の痛み
こんな人がかかりやすい
  • 閉経年齢が高い
  • 出産歴がない
  • 太っている
  • 妊娠・出産回数が多い
  • たばこを吸う
  • ホルモン補充療法を受けたことがある
  • 子宮内膜増殖症がある
  • 糖尿病、高血圧
  • 家族に乳がん
  • 大腸がんにかかった人がいる
  • 月経が不規則。無月経や排卵異常がある

子宮がんの治療方法

1. 手術治療(外科療法)

〜患部のがんを切除する

がんの場所や進行具合によって切除範囲を変えます。早期の子宮頸がんであれば、子宮口の一部のみを切除する円錐(えんすい)切除術が選択できます。

2. 抗がん剤治療

〜薬でがんを攻撃する

抗がん剤には、いくつかの種類があり、その効果と副作用をみながら使われます。副作用が著しい場合は、治療薬の変更や中断などを検討することがあります。

抗がん剤の副作用

抗がん剤の影響は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも及びます。特に新陳代謝が盛んな、髪の毛、口、消化管などの粘膜、骨髄などが影響を受けやすく、脱毛、口内炎のほか、下痢や吐き気を覚えたり、白血球や血小板が減少することがあります。また、肝臓や腎臓に障害が起きることもあります。

3. 放射線療法

〜がんに放射線を当て細胞を死滅させる

ピンポイントでがん細胞を死滅させ、腫瘍(しゅよう)を縮小させます。病巣に直接照射する腔内照射と体の外から照射する方法があります。

 

4. ホルモン療法

〜子宮体がんに有効。女性ホルモンでがんを死滅

子宮体がんには増殖に必要なホルモンがあります。このホルモンと反対に作用するホルモンを投与して増殖を阻止します。子宮体がんのホルモン療法は次のケースで用いられます。

  • 早期がんで、子宮温存を希望する若い女性。
  • 再発の予防としての補助的な治療。
  • 化学療法効果が不十分な場合や行えない場合。

5. 緩和医療(緩和ケア)

〜体と心の痛みを和らげる

がんの治療には、肉体的、精神的、社会的な苦痛がともないます。そのつらさを和らげるための対処が緩和ケアです。痛みや症状をとる緩和ケアを早い時期から受けたほうが長生きできる傾向があります。

子宮がん予防

1 生活習慣の改善

● 禁煙でリスクを減らす
  • たばこだけでなく、ライター、灰皿などたばこに関するものはすべて捨てる。
  • 吸いたくなったら、ガムをかんだり、冷たい水を飲んで口さみしさを和らげる。
  • ニコチンパッチやニコチンガムなど禁煙補助薬を使う。
● HPV予防でリスクを減らす
  • セックス時にはコンドームを必ず使用する。
  • 20歳を過ぎたら2年に1回必ず検診を受ける。
食生活でリスクを減らす
  • 食事は偏らずバランスよく。
  • 脂肪の多い食事は控える。
  • 食塩を控える。
● 運動でリスクを減らす
  • 継続できる運動習慣をつくる。
ウオーキングのすすめ

ウオーキングは、特別な準備が不要。いつでもどこでも気軽にできて、運動不足の解消には最適です。ちょっとした時間を見つけて、いつもより少し多く歩くことからはじめてみましょう。

ウォーキング(速歩)の理想のフォーム

  • 少し息が弾むくらいの速さ
  • 視線は遠くにあごは引く
  • 胸を張る
  • 肩の力を抜く
  • 背骨を伸ばす
  • 腕は前後に大きく振る
  • 脚を伸ばす
  • 歩幅はできるだけ広とる
  • かかとから着地

2 HPVと子宮頸がん予防ワクチン

日本でも2009年10月に初めて「子宮頸がんワクチン」が承認され、一部の医療機関で接種が始まっています。今回承認されたワクチンは、HPVの16型と18型の感染を予防するもので、上腕三角筋部に筋肉注射します。 現時点では、接種対象者は10歳以上の女性で、6ヶ月間で3回の接種が必要です。費用は4〜6万円程度かかり、全額自己負担です。そこで、テルモ健保では、新たに補助制度をつくりました!!